ほんの少しの遠出 逗子編


昨日の大雨とは打って変わって快晴。
眩しい太陽が照りつけていました。

気持ちの良い天気の中、この日は神奈川へ。
目指すは逗子にあるCOYAです。
COYAはいつもセンスの良い料理を提案している
フードコーディネーターの根元きこさんのお店です。
ここもずっと行きたかったので、念願叶ってとても嬉しい。

逗子行きの電車に乗ると、
羽田空港にほど近い高校へ通っていた頃の事を思い出します。
通学の朝、京急の目映い赤い車体に、終点が『逗子』
と表示されている電車にたまたま当たると、
このまま終点まで行けばどんな風景が広がっているのかなと
電車に揺られながら、海岸を思い描いていました。

逗子駅に着いた時には地面の熱さは最高潮で
半袖で歩いている人もたくさんいました。
ジリジリと暑い日に海の方面へ向かうのは
とても最適な気がしてワーッと駆け出したくなります。

駅からはそんなに離れていないはずなので地図を見ながら歩く。
ふと辺りを見回すと、完全に住宅街になっていました。
かろうじてあった昔ながらの八百屋さんに道を尋ねると、
随分逸れていたようですが、「この道を真っすぐ行けば着くよ。」との事でした。
誰も歩いていない一戸建ての家が両脇に続く、太陽の照りつける細い道を
あの家が素敵だとか、あそこの庭がきれいだとか、すぐそこに山が迫ってる!
とか言いながら足取り軽く歩いていく。
素晴らしい風景ばかり目に入るので、案外遠回りも悪くはなかったです。
静かでゆったりとした自然に囲まれた生活に憧れている私たちは、
都心から離れた土地ではたいてい「この辺に住みたいと思う?」と
どちらからともなく聞いたりするのですが、この通りを歩いている間中
2人ともずっと「ここなら住みたい!」と連呼していました。
とても魅力的な町です。


楽しい散歩は大通りにぶつかり終了。
そこからは2、3分で着きました。
かなり辺鄙な所にあるのかなと想像していましたが、
思っていたよりも大きな道路沿いにあり見つけやすかったです。

1歩入ると、きこさんの本で見ていた通り、大きな台所がすぐ目に飛び込みました。
サンダルをつっかけて料理をするような、昔ながらの素敵なお勝手です。
店内は程よい広さで、それぞれの席の仕様が違っていて
どの席も独立した魅力的な空間となっていました。
自由に読める本もたくさん置いてあって、センスの光るセレクトだったので
あれこれ引っぱり出して楽しませてもらいました。

今日の天気にぴったりだと思い、石垣島のマンゴーを使ったラム酒入りのソーダ
を頼みました。信じられないくらい美味しくて、また濃い橙色が美しくて
幸せな気持ちになりました。
ランチにハヤシライスも頼みましたが、これまた美味しかったです。
とろんとした温泉卵が乗っていて、飽きのこない味。
食後のコーヒーも揚げたて熱々の素朴な味のドーナツも
どれも本当に美味しくて優しい味がしました。
さらに料理の乗っているお皿も、お水が入ったグラスも1人1人違ったもので、
質感の良い味わいのある食器ばかりでした。

食事が終わると、数段の階段を上った奥にある、その名も”OKU”という
小さな雑貨屋さんを覗きました。
きこさんが旅先で購入してきたものらしき商品が小さなスペースに並んでいます。
バリやベトナムのものが多く、こざっぱりとした
余計なものが削ぎ落とされている印象の素朴な品でした。
2、3畳程の小さなスペースの中、とても目移りしてしまいあちこち動き回って
結局たくさんの品を購入しました。
紙袋に入りきらなかった大きなカゴをそのまま手で持って、
幸せな気分で店を後にしました。
こんなに解放された、みずみずしい気持ちになれたのは久しぶりです。

案内通りに駅に向かうと、とても近かったです。
行きはかなり遠回りしたようでした。
逗子駅から今度は鎌倉駅へ向かう。
逗子の方が遠くに感じますが、実はたったの1駅なのです。
鎌倉駅から江の電で稲村ケ崎駅へ。江の電はものすごい人でした。

  古道具屋R。
稲村ケ崎駅から線路にぶつかるまで歩くと、古道具屋のRがあります。
線路の反対側にあるRへは、スタンドバイミーさながら
踏切の無い、いつ電車が通るかわからない線路を渡らなければ行けません。
たったの5、6歩ですが、それが楽しいのです。
今にも崩れそうな古い木造家屋をそのまま使用していて、
畳の上に古道具が相性良く並んでいます。
小さなカップにお茶をいれてくださったので、お庭を眺めながらまどろむ。
何度来ても気持ちのスッとする良い場所だなぁと思いました。
赤い朽ちた鉄のハサミを買って帰りました。
 垣根だけの簡素な庭も良い。

そこから江ノ島や、鎌倉に戻って小町通りや御成通りをぶらぶら。
そういえばあそこに寄ってなかったとか、行きたいところがあったんだとか
後から色々思い出しましたが、やっぱりまた無計画で訪れる事になりそうです。
鎌倉は、ぶらりと遠出するのにちょうど良いところなのでしょう。
 遠くにぼんやり江ノ島が見える。

日が落ちると同時に鎌倉の活気はいっぺんに無くなり、
あれだけ人がたくさんいたのにもう閑散としている。
観光地の1日の終わりは早いです。
でも昼と夜と相反する顔もまたなかなか良いものです。
暗くなった商店街にぽつりぽつりと灯った料理屋の灯りに風情がありました。

生温かい春の空気に包まれた湘南で過ごした1日。
とても眩しくて貴重な1日でした。
 直販市場の小屋の中。

text by : yuki
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