Saschiz

あてもなくバスに乗り込み、気になる場所で降りる。その日の気分で行く場所を決めるのが好きだ。予定を立てない方が自由に旅ができる。

モザイクタイルの屋根に銀色の尖塔が美しい古い時計塔の前で降りることにした。ザクセン人が造ったサスキズという村で、遠くには朽ちた要塞も見える。シギショアラからブラショフへ向かう街道沿いの村々は褐色の古い瓦屋根に色とりどりの漆喰の家が続いていて、どこも景観が良い。

まだ具合が悪く、ぬかるんだ獣道を進んだ先にある要塞までは辿り着けなかったが、途中の丘の上でゆっくりと時間を過ごした。上から見下ろす時計塔もまた一際美しい。さっきまで下で喋っていた時計塔の修復をしている労働者が随分と小さく見える。彼らにシギショアラの時計塔と同じ設計者であることを教えてもらった。確かに貫禄のある姿は同じものを感じる。十四世紀に建てられたらしいが、現代までこうして修復され続けていることに感動する。

楽弥と希舟は木登りをしたり、丘を走り回ったりして遊んでいる。雪が溶けて春のような陽気が降り注ぐ丘の上は子供にとっても大人にとっても最高の場所だ。

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