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馬車が走る蹄の音で目を覚ます。外に出ると赤い民族衣装を着たおばあちゃんが馬車に乗っている。咄嗟に写真を撮ろうとするがカメラは動かない。さらに自分の身体まで怠くて思うように動かない。頭痛がしてそのままベッドに倒れ込む。

その間にまたふたりのマールトンが順番に現れる。獣肉のマールトンに妻が外で対応しているが「イエスタデイバッドマンアイムソーリー」という声が聞こえてくる。頭痛に響く。彼は昨夜のお礼にと大きな瓶に入ったチェリーとカリンのシロップ漬けを持ってきてくれた。強烈な獣肉からは想像もつかない優しい味がした。

いつものマールトンはまたヨーグルトを子供達に買ってきてくれて、横たわる私にそっと布団を掛けてくれた。彼がパーリンカを呑まずに帰っていったのは初めてのことだ。

その後に家を貸してくれている友人家族が遠くから遊びに来てくれたというのに、頭痛が酷くて起き上がれない。可愛い子供達の笑い声だけが微かに響いている。

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