黒ばけものの絵本

絵本が大好きな子供たちは眠る前に必ず
お気に入りの一冊を妻の枕元に持ってくるらしい。
夜の読み聞かせを何よりも楽しみにしているようだ。
私はいつもみんなが眠ってから帰宅するので
その様子を目にすることはあまりない。

黒ばけものの絵本がようやく完成して
届いたその日は子供たちと一緒に眠ることにした。
この物語だけは自分で読んで聞かせたかったのだ。

夢中になって刺繍と言葉を追う子供たち。
しかし読み進めていくうちに楽弥の頭は混乱した。
「えっ...なんで?どうゆうこと?」
ページを行ったり来たり彼は小さい頭で考えている。
それが私には嬉しかった。
不思議に感じたまま終わるのではなく
彼は自分なりに答えを探そうとしている。

希舟は”おなかとせなかがくっついた”という言葉が
いくら想像しても思い浮かばなかったらしく
「ねぇ...おなかとせなかはくっつかないよ」と
まんまるのおなかを触りながらひとり呟いている。
そんなふたりの姿を見れただけで幸せな夜だった。

text by : tetsuya

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