お菓子とお仕事

「お菓子が欲しい」と騒ぐ子供たちふたりを連れて
保育園からの帰り、スーパーに寄り道をする。

夕食前に家で袋を広げるのは気が引けるので
アトリエに寄り、子供と一緒にお菓子を食べていると
「パパの黒けもの格好良い」と私の刺繍を褒めてから
「お菓子はママに内緒だよね」と息子が確認してきた。
なんてずる賢い奴なんだと思わず笑ってしまう。
「きっきーもママに内緒にできるよね」と妹に念を押し
娘も娘でうんうんと何度も頷いてお菓子を頬張っている。

家に帰るなり、口元に菓子くずをつけた息子は妻に駆け寄る。
「ママのぬいぐるみ可愛い。ボーちゃんとかさ。チェズとかさ」
これでアトリエに寄って何かを食べたことはすぐにばれるが
息子はそんなことには気が付かずにさらに調子にのっている。
「ネコもさ。カバもさ。ゾウさんもさ。ぜーんぶ可愛い」
褒めちぎられた妻は問いただすのをやめて
「ありがとね」と笑って返事をした。

お菓子で膨れたお腹に子供たちを乗せて遊んでいると
ふと、息子が飾ってくれた黒けものの本が目に入った。
もう4才になって色々な物事が分かるようになった息子は
私たちふたりの仕事をどういう風に捉えているのだろうか。

会社に出勤するわけでもなく、通うのは近くにある古い洋館で
そこには刺繍の作品やぬいぐるみが並び、古物が転がっている。
時には上映会や音楽会が催されて、おおよそ仕事場とは思えない。
平日は保育園なので作業をしている姿を見ることは滅多にないし
週末に子供たちを連れて打ち合わせや納品に行っても
食事や酒に囲まれて子供そっちのけで楽しんでいる。
果たして息子は仕事をどう解釈しているのだろうか。
遊びと仕事が一緒くたになってはいないだろうか。

でもそれはそれでいいような気がする。
一緒くたになっていてもいいような気がする。
遊ぶように仕事をやれることほど幸せなことはない。
楽しみながら仕事をやれることほど幸せなことはない。
山あり谷あり、いや、谷ばかりで一向に山には辿り着かないが
好きな仕事をやって好きなように暮らしていくことを
幸せに感じてくれたらそれだけでいい。

2月にFredericのぬいぐるみの受注を再開します。
詳しくはNewsをご覧ください。

text by : tetsuya

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