ルーマニアからのお客様
お店を閉めても、なかなか穏やかには暮らせない。
制作や来客や片付けに追われて忙しい毎日を送っています。
日にちの感覚も、曜日の感覚もないまま、いつの間にか4月が終わっていました。
ゆっくりパソコンに向かう時間もなく、私が日記を書くのは本当に久しぶりです。


先月のはじめ、ちょうど桜が見頃を迎えた頃、
ルーマニアでお世話になった聖子さんと息子さんの大樹くんと
東京・下町散策に出掛けました。
お二人は初春から日本に帰省されていて、約一年ぶりの再会となりました。
この日を指折り数えてとても心待ちにしていました。

たまたま4月1日にお互いの都合があったのですが、
店を閉めて、明け渡して、全てから解放された清々しい区切りの日に
お二人にお会いできたのは素晴らしい巡り合わせのように思いました。
また、満開の桜が高揚感を引き立たせました。

この日は、大樹くんが一緒ということもあって上野動物園に行くことにしました。
真夏のようによく晴れた空の下、太陽の光をたっぷり浴びて
広い園内を散歩しながら動物を見ておしゃべりをして、、、と、
素晴らしく健全な1日を過ごしていることにささやかな喜びを感じていました。
大人になるにつれて屋外で過ごす時間が少なくなったように思います。
食事や映画や買い物と、どうしても屋内で過ごすことが多くなってしまう。
こんなふうに歩きながらのんびりと会話ができるのは何よりも楽しい。
 
ゾウは草よりもパンが好き。 大樹くんは木登りに挑戦していた。
 シロクマはお昼寝中。

動物園を出て、見事な桜並木を抜けて浅草へ。
春休み真只中で動物園も込んでいましたが、浅草もかなり活気に溢れていました。
雷門をくぐった先にある仲見世は人で埋め尽くされていました。
人形焼きの実演を見たり、手焼きせんべい屋を覗いたりして下町情緒に浸る。

仲見世から細道に入って、遅い昼食に選んだのはお好み焼き屋の”染太郎”。
ここは風情があって、田舎の祖父母の家のように居心地の良いお店です。
鉄板から昇る煙や油を長年吸い込んだようなこっくりとした柱の色や
もう壁と一体化して取れなくなったシールが年季を感じさせます。
そして、店内には文豪や俳優など著名人の色紙がたくさん飾られています。
そこには店への想いが綴られていて、どれも色褪せています。
 
年季の入った趣きのある店内。 昔懐かしい雰囲気が漂っている。

靴を脱いでゴザの上に歩き疲れた足を伸ばし、
ちゃぶ台に鉄板が乗ったようなちいさな机の上でお品書きを見る。
聖子さんと大樹くんは初めてのもんじゃを頼んだ。
 ソースなどが入った調味料入れの桶。

お願いすれば定員さんが手際良く焼いてくれる。
野菜たっぷりの土手に流し込んだ生地はすぐにふつふつと美味しそうな
気泡をはじいて香ばしい匂いを漂わせる。
最初はとろっと、最後はパリっとしたもんじゃを楽しめる。
 
お好みの具を加えていろんな味が楽しめるもんじゃ焼き。
 
麺の入ったお染め焼き。聖子さんが上手に返してくれました。

いつの間にか歩き疲れた大樹くんはゴザに横になって眠ってしまった。
その隣で大人3人もんじゃをつつきながらルーマニアの話に夢中になった。
現地の生活水準、日本人が暮らすということ、住みやすい都市など
思いつく限りの質問を投げかけると聖子さんがひとつひとつ丁寧に話してくれて、
これまで漠然としか思い描けなかった現地での暮らしが一気に現実味を帯びてきた。
様々なことを知りたくても知り得なかった、掴めなかったことが
ぐっと近くに寄ったような気がしました。

気が付けば長い時間話し込んでしまったけれど、
大樹くんは気持ち良さそうに寝入っている。
こんな風に子供を安心して寝かせられるお店なんてそうそうないと思う。

お店を出て、再び雷門を横切って電車に乗り込んだ。
車内でも話は止まらない。
続きはルーマニアで、とまだまだ話足りないけれどしばしのお別れ。
 夜の雷門。

聖子さんとのお話しで印象的だったのが、
「いかにお金を使わないで生活をするかが大事だと思う。
そこに本当の豊かさがあると思う」
その言葉は常々自分の中でも感じていたことだった。
都心に住んでいると、何よりも先にお金を得ることを考えなくては生活できない。
そして楽しむことにお金も不可欠だ。
でも、聖子さんの日々の暮らしを覗かせてもらうと、
自然の中での楽しみ方、村での人との交流、興味のあることへの探究と、
そこにお金はほどんど意味を持たない。人間らしい生き方をしている。
そういう暮らしが魅力的でルーマニアに惹かれるのだと思う。

夏にまた再会するのが今から楽しみ。

text by : yuki
| おでかけ | comments(2) |
こちらこそ、
貴重なお時間を私たち親子のために
あけてくださって
ありがとうございました!

東京の桜並木に、
広々とした上野動物園、
そして浅草散策・・・。

春の太陽をたっぷり浴びて、
由希さん哲弥さんご夫婦の
お優しいお人柄に触れたので、
なんだか東京なのに
ルーマニアのペースで
ゆったりと時間が過ぎていったようです。

閉店後もたくさんの人に囲まれて、
お忙しくしていらっしゃる様子が
目に浮かびます。

ルーマニアでお会いするのは、
青々とした緑の季節となりそうですね。
ごいっしょに森のなかで
お散歩できたらいいです。
ルーマニアらしい、生活の楽しみかたを
味わわれるでしょうね。
お金には換えがたい、
大切な時間だと思います。
| seiko | 2010/05/14 5:32 AM |
聖子さん、コメントありがとうございました!
帰省中はいろいろとお世話になりました。
お会いできて本当に嬉しかったです。

桜の木は新緑で埋め尽くされ、今はバラが見頃です。
でも、森に咲く野生の花の魅力には勝てません。
どれも可憐で美しいですね。
町はずれの谷間やドボイ村で是非ご一緒にお散歩したいです。
夏にお会いするのが待ち遠しいです。
| Pretzel yuki | 2010/05/14 3:03 PM |