みかん畑の撮影会
秋のはじまりに、Fredericのぬいぐるみを撮影しに出かけました。
電車で1時間半かけて静かな町にある里山へ。
秘密の場所に連れられるように、写真家の知子さんの後をついて行きました。
 森の入り口。

知子さんはよく自然の写真を撮られています。
鬱蒼と茂る木々や、刻々と流れる川、移りゆく空、時には枯れきった花も。
知子さんが撮られる写真には、独特の空気が流れています。
穏やかでいて、なんだか切ない。
その切ない感じが私は好きです。

そんな知子さんが、今回は自然ではなく、私の作品を
被写体に選んでくださったので、とても嬉しかったのです。
 簡潔なシャッター音が響く。

里山の奥にはみかん畑がありました。
まだ青青とした熟れていない背の低いみかんの木の下で、
ぬいぐるみたちを取っ替え引っ替えしながら、1日がかりで撮影しました。
目も開けていられないような眩しさから、心細くなるような薄暗さの中、
1日中自然に囲まれていたのは久しぶりのことです。
日中から日暮れまで森の中にずっといると、日の向きが変わるにつれて、
だんだんと心も穏やかに変化していくようでした。
日常の1日とは違う、心地いい時間を過ごしました。
 みかんの木は形が美しい。

後日、写真が出来上がり、見せてもらうと、
ずっと撮影についていたにも関わらず、知子さんが撮った写真は、
私が目にしていたその日の風景とはなんだか違っていました。
もちろん同じ時間に、同じ場所にいたのだけれど。
その写真は、やっぱり独特の空気をまとっているのです。
 photo by tomoko sasaki
一番最後に撮ってもらった、一番のお気に入りのLAPINの写真。
日が隠れてしまって、唯一取り直した曰く付き。

写真は、古いハンカチで作ったお揃いのカバーに入れてそれぞれ持っています。
お店にいつも置いていて、友達が来る度にいそいそ開いて見せています。
ハンカチにその日の空気を閉じ込めているようで、
開く度に、みかん畑の青青とした新鮮な息吹を感じます。
今度は、みかんが色づいた頃にまた行きたい。
 バス停近くの壁画も素敵でした。

ちなみに、旅日記のあとがきに書いた、
ルーマニアとハンガリーを旅している…というのは知子さんご夫妻のこと。
もう帰国されて、先日、旅の写真を見せてもらいました。
胸をぎゅーっと強く掴まれるような愛しい写真でした。
旅の写真は知子さんのサイトで見られます。

text by : yuki
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