ハンガリー旅日記 13日目 3/7
ホテルでハチミツたっぷりのトーストを食べて
ゆっくり身支度をして出かける。
最終日の今日は肌寒い曇り空。

いつ行っても楽しい、中央市場へ向かう。
ブダペストの台所であり、大きなお土産屋さんでもあります。
1階の食品売り場には美味しそうなデザートが並びます。
ケーキはどれも大きく、彩り豊か。クッキーは小さく、可愛い形。
シュークリームとアップルパイ、クッキーやチョコを買う。
 
どれも大きいけれど、案外食べれちゃう。 クッキーは量り売り。
 パンをじっくり選ぶおばあちゃん。

デザートを頬張りながら大きな屋内市場を1周する。
1階には肉屋と八百屋が多い。いろんな匂いが混ざり合っています。
見慣れない食品を見て回るのはとても楽しい。
 
パプリカがぶら下がる調味料屋。サラミがぶら下がる肉屋。

2階にはハンガリーの名産品が周りを取り囲むように並んでいます。
そのほとんどが民芸品で、いつも見つけたら買うフェルトのポーチを
色違いでいくつか買う。ここでは値切れるので、少しお得になる事も。
 伝統的な刺繍のクッションカバー。

薄暗い印象の地下は、いつもあまり立ち寄らない。
今日はなんとなく気になって地下へ降りてみました。
やっぱり照明が足りないと思えてしまう、ひと気のないこの階には、
あまり需要が無いと思われる食品たちがひっそりと並んでいます。
魚類(陸地のハンガリーではそんなにポピュラーじゃない様子)や、
各家庭でもよく作られる保存食、乳製品のお店が多い。
様々な材料で作られる色とりどりのピクルスは、
水に浮かぶビーチボールみたい。
 
瓶詰めのピクルスが整列する姿は可愛い。同じような保存食の店が何件もある。
 主にチーズを売っている乳製品屋。

市場で買ったお菓子を持って、動物園に行く。
一昨日行ったサーカスの隣にあります。
最寄り駅を降りると、ポツポツと雨が降ってきました。
2頭のゾウで囲まれた動物園の入り口をくぐると、園内はがらんとしていました。
平日の雨降りの動物園は、混みようがない。でもゆったり見て回れるのが嬉しい。
 
上部はしろくま、下部はゾウで出来た動物園の入り口。

世界で最も古い動物園のひとつとされているだけあって、
そこかしこに歴史を感じます。
厩舎に工夫が凝らしてあるのも見所のひとつ。
ルーマニアで見た木造家屋や木造教会のような建物に、
イスラム建築のような異国情緒を感じる建物まであります。
 
トランシルバニア風の建物。 木造教会風の尖塔のある建物。

最初に目に付いたのは、ロバとリャマの檻。
ほかにもカモシカなんかもいて、みんな1つの檻に入っているのがすごい。
ロバは大人しく、撫でても嫌がらずに身をまかせている。
それを見たリャマは、ロバをぐいぐい押して自分も撫でて!と言わんばかりに
近づいてきた。ロバはちょっと困惑気味でした、、、。
このリャマ、下の歯が出ていて憎たらしいような、憎めないような顔をしている。
 
舌を出すかわいいロバと、歯を出すファニーフェイスのリャマ。
 
リャマは、すました顔でロバを追いやるなかなかの強者!

牧場に近づいていく時のような動物独特の匂いが漂う馬や羊や豚の小屋。
子豚がちょろちょろと走り回っているのが可愛くて見ていたら、
奥にこれまで見た事もないような大きな親豚がいた。びっくり!
この品種は、毛が縮れているのが特徴で、ハンガリー固有種の豚だそうです。
 
2つの小屋を行ったり来たり走りまわる子豚と、微動だにしない親豚。

鳥舎はジャングルのようになっていました。
オオハシやコウモリが目の前で羽ばたきます。
その向かいには大きなふたこぶラクダもいました。
1頭はこぶのひとつがぺしゃんこになっていて、哀愁をさそいます。
 
こぶ健在の元気ならくだ。 2頭揃って正座。おしりが可愛い。

動物園の奥には古い石造りの建物が残っていました。
昔の動物園の名残でしょうか。
梯子を上ると鉄格子がはめ込まれた狭いスペースがありました。
そこで檻からカメラに向けて珍獣ごっこをして遊んでいたら、
地元の人に大笑いされてしまった。(その後彼らも梯子を登っていました。)
 
こんな古い塔が残っています。 檻の中に入ることができます。
 
狭い入り口から降りてくる姿はちょっぴり情けないかも。

しろくまのボーと本物のしろくまを対面させた後、
オオカミのいるガラス張りの小屋に近づくと、
1匹のオオカミがボー目がけて駆け寄ってきました。
さすがオオカミ!大きくて迫力があります。
ボーの目や鼻を見て動物と認識したのか、過敏に反応して
ガラスを隔てたボーに必死に噛み付こうとしています。
そのうちにもう1匹やってきて、永遠に噛むことのできないボーの
奪い合いになっていました。この光景には本当にびっくりしました。
 
ボーの顔が強張っています。 まさかの2匹でボーの取り合い!

じっくり時間をかけて回った動物園。
雨が降ったり止んだりのあいにくの天気でしたが、とても楽しめました。

再び中央市場の方へ戻り、古書通りで本を探す。
以前は面白い本がたくさん見つかったけれど、最近は好みの本が少ない。
可愛い絵本などは買い手がたくさんいるので、すぐになくなってしまう。
古書店で熱心に本を探すと、ぐったり疲れてしまうので、
気が向いたお店に寄って少しだけ絵本を買いました。

そしてまた中央市場へ。この辺は何度行き来しても楽しい。
遅いランチを食べようと、市場2階の食堂へ。
2階にはお土産屋の端に簡単な食堂が数軒あります。
安くて美味しいと評判なので、どうしても気になってまた来てしまいました。
大きなソーセージにたっぷりマスタードをつけて軽食をとる。
周りは常連客という感じのおじさんばかりで、和やかな雰囲気。
 
中央市場はいつ見ても素晴らしい建物だと思う。

中央市場から伸びているバーツィー通りの民芸品店を覗く。
いつも寄るお店は大幅な値引きセールをやっていました。
もしかして閉店?と思われるような価格が全ての商品についていました。
昨日のお土産屋さんのように、今度来たらお店がまるっきり変わっていたら
ちょっと淋しいなと思いつつ、民族舞踏で履く子供用の靴を買いました。

日が傾き、店仕舞をするシャッター音を聞きながらぶらぶら散歩。
辺りにお店がなくなったところで、可愛らしいレストランを見つけました。
アルフルディという名前の民族調の小さなレストラン。
店内には絵皿が飾られ、テーブルにはハンガリーらしい色合いの
白と赤の刺繍のクロスがかかっています。
 
ハンガリーの家庭料理店。 あたたかみのある店内は落ち着く。

既にテーブルの上にはオレンジ色のパンのようなものが山盛り乗っていました。
自由に食べていいようなので、料理を待っている間に早速味見。
こんがり焼き色のついたパプリカ味の大きなスコーンでした。
バターがきいていてとてもやさしい味がします。
注文したのは、いつものグヤーシュにパプリカチキンというもの。
どれもパプリカになってしまった。でも、これぞハンガリーの家庭料理。
パプリカは、日本でいう醤油のようなものかな。
どんな料理にもだいたい入っている、たぶん使用頻度の一番多い調味料です。
ハンガリーに来ると、毎日食べても本当に飽きがこない。美味しいスパイス。
グヤーシュもチキンも素朴な味で、絶品でした!
 
パプリカ味のスコーン、ポガーチャと、パプリカで柔らかく煮込んだチキン。
(このお店はお皿まで可愛かった!山吹色の花柄のお皿。)

帰りにスーパーに寄ってお土産を買う。
イースターが近いので、うさぎや卵のイラストが描かれたお菓子が
たくさん売っていて、ちょっとしたお土産にうってつけ。
ここでパプリカ味(また!)のチップスを買って、ホテルで最後の晩酌。
おじーにもらったツイカはキツくてなかなか減らないけれど、
この香りを嗅ぐだけで、旅のすべての事が思い出される。

交代で仮眠をとりながら徹夜で買い付けたものの梱包をする。
既にトランクに詰めたものを1度取り出して、
テトリスみたいに頭を使ってぎっしりきっちり詰めていく。
これ何を買ったんだっけ?と思い、少し開封して中身を確認すると、
ルーマニアの田舎の民家から譲ってもらった手作りのものだったりして
ほっこりとした気持ちになる。
そんな事をやっているから捗らないのだけれど、こういう時間もまた楽しい。
こんなふうにして最後の夜は過ぎていきました。

今度行く時には、これまでよりももっと長い時間をかけて
東ヨーロッパを周りたいという気持ちが生まれました。
それほどに、今回の旅はこれまでとまるで違ったものとなりました。
さらにこの土地に惹きつけられた。
ぐっと強い力で惹きつけられていくのを感じました。

text by : yuki

***あとがき***

いつも旅日記を読んでくださりありがとうございます。
帰国してからなんだか忙しく、ずいぶん時間がかかってしまいました。
気付けばもう秋です、、、。
この日記を読んでくださり、いろいろお話ししているうちに
興味を持ってくださったご夫婦が、今ルーマニアとハンガリーの旅に出ています。
今ごろルーマニアにいるのかな。いいなぁ。
そんなきっかけをもたらす事ができて本当に嬉しいです。
今は2人の帰国が、旅の話がとても楽しみです。 yuki
 イエウド村のおばあちゃんと。
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旅に出てからもう半年。
泥道を馬車が走るマラムレシュが懐かしい。
雪山を越えた後のサルマーレが恋しい。
寝ても起きてもルーマニアが頭から離れない。
早くまたルーマニアの友人とツイカを酌み交わしたい。
そのおかげで今は新しい目標が出来た。
いつかルーマニアでゆっくり暮らしてみたいと。 tetsuya
 ボグダン・ヴォーダ村のおじさんと。
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