ハンガリー旅日記 10日目 3/5
いつの間にか国境を越え、
ハンガリーの首都ブダペストに着いたのは早朝の4時。
明かりのついていない真っ暗闇の長距離バスターミナルに
まるで放り出されたように寝ぼけている私たちは取り残されました。
同乗していたおばあちゃん3人組はいつの間にかいなくなっていた。

ここからホテルは近いはずですが、トランクを引きずって歩く気力もなく
まだあまり走っていないタクシーをなんとか拾う。
ホテルにはたったの5分で着きました。
気の良さそうな髭を生やした運転手は「3千フォリントだよ」と言いました。
ハンガリーフォリントは前回の旅で結構残っていたので、
やっと出番がきた事を少し嬉しく思っていたところ、違和感が。
、、、ん?この距離にしてこの値段は高過ぎます。
まだぼんやりしている頭で考えても、おかしい。
とりあえず荷物をおろしてから、夫がメーターいくらか聞くと
「どうしたんだ?何で支払わないんだ?」と質問には答えず怒っている。
押し問答の末「警察に言ってやるからな!」と怒鳴って慌てて逃げていきました。
どうやら他国からの早朝着のバス乗客を狙ったぼったくりタクシーのようです。
こういう時、気を付けていても通貨に慣れていないとうっかり支払ってしまう。
危ない危ない。でも、結局タダで乗れたのでよかった!

ホテルのレセプションには眠そうなお兄さんが立っていました。
とりあえずトランクだけ置かせてもらって、
雨のぱらつく静まり返った街を歩き出す。
 まだ薄暗いブダペストの街。

トラムはまだ走っていない。
地図をたよりに大きな東駅へ散歩がてら歩いて向かう。
暗くて、視界に面白いものが何も入ってこないと遠く感じるもので、
30分くらい歩いただけでどっと疲れてしまった。
ルーマニアの田舎と違って”都会”を感じるせいかもしれない。

やっとの思いで着いた東駅は、今まさに動き出したばかりという感じ。
まだ仄暗い明かりの中でチケットを買う。
行き先は、魅力的な郊外都市のセンテンドレ。

乗り換え駅では、駅舎のライトは煌々と光り、人々も行き交い始めました。
ここで朝食のパンを買う。ブダペストはほとんどの駅に
パン屋が入っていて、駅内で焼きたてパンを買えます。
パンをかじりながら郊外電車に乗って、40分ほどでセンテンドレに到着。
 若草色のセンテンドレ駅。

曇り空のセンテンドレは、週末こそ観光客で賑わう町ですが、
平日の朝は静寂に包まれていました。
町の中心まで軒並み閉まっている商店街を歩いていく。
まだどの店も開きそうな気配のない中、
透明のビニールシートで出来たテントのようなカフェが開いていました。
まわりを見渡す事のできるこのカフェで、町が目覚めるのを待つ。

2時間以上も、旅の計画を練りながら居座っている私たちを
優しい眼差しで放っておいてくれる店のおばさんに感謝しつつ
9時を過ぎた頃、再び町に繰り出してみる。
 町の中心にある広場。

古書店やアンティークショップ、文具店で可愛い雑貨をたくさん買い、
小雨の降る静かな町をうきうきと行き来する。
それからずっと気になっていたマジパン博物館へ行きました。
マジパンは、アーモンドの粉末とシロップを混ぜて作る細工菓子です。
2、3階にマジパンで出来た作品がたくさん飾られていて、
歴史的建造物を緻密に再現したものから童話の世界、アニメのキャラクター、
等身大のマイケルジャクソン(今思うと感慨深い、、、)までいました。
1階にはアトリエがあり、実際に制作しているところが見られます。
アトリエの隣にはショップがあり、様々な形のマジパンやチョコを売っています。
そこで可愛い果物形のマジパンを買う。お土産にもぴったり。
 
作品を生みだすアトリエ。  小人やブタなどの可愛いアルミ型。
 
60kgも使用したという国会議事堂。 こんな所でマイケルに会う。

お土産屋通りを覗いていると、飛び抜けて良い民芸品店を見つけました。
ハンガリーの民族衣装がたくさん揃っています。
大興奮で品定めをして、貴重な民芸品をいろいろと買いました。
昨日行ったルーマニアのシク村の衣装なども置いてあり、
ふと、シク村のおばーの言っていた事を思い出しました。
ブダペストの民芸品店に衣装や作品を送っていると。
こうしてなにげなくお店に売っているものが、
隣国の小さな村のおばあちゃんが持っていたり
作っていたりするものだと思うと不思議な気持ちになる。
だんだんと、小さな村に民芸品が少なくなってしまう不安がよぎる。
 
お土産屋通りの裏は住宅街。淡い色の家がきれいな町並みをつくる。

お客さんが少なく、暇そうに一服している店員さんが見受けられる
少し淋しそうなお土産屋通りを見終え、遅いランチをする事にしました。
でも、どこのレストランもがらんとしている。
気軽に入れて雰囲気がいいのは、やっぱり朝入ったあのテントのカフェ。
再びの来店にお店のおばちゃんは微笑んでくれました。
そして隣に座っていたおじいちゃんは、なぜか何度もウインクをしてくれました。
 犬を連れたおじさん。

急に晴れて快晴となった空をドナウ川が見事に映していた。
川沿いを散歩して、ゆっくりとまわる事ができたセンテンドレの町を後にする。
お土産屋がひしめき、いかにも観光地という印象だったセンテンドレですが、
今日は、眠たそうなのんびりとした一面が見えました。
 美しいドナウ川。

郊外電車のHEVは、各駅に停車するごとに可愛らしいチャイム音が鳴ります。
その音が少しずつ遠のいていくのを感じながらうたた寝。
あっという間にブダペストに戻ってきました。

ホテルに戻り、まだ夕方なのでどこかに出かけようと思いつつ
でも体は疲れきってしまって動かない。
どんどん日暮れていく空のした、
ホテルのまわりを1周散歩して1日が終わった。

田舎と違って不自由を感じないブダペスト。
突然水になってしまうシャワーをヒヤヒヤしながら使っていたのが懐かしい。
たっぷりのお湯でたくさんの洗濯物を手洗いした。
汚れていたシク村のシャツがいきいきとした白に生まれ変わったのが嬉しかった。
 夕暮れのブダペスト。

text by : yuki
| 買い付け旅日記 | comments(0) |