ルーマニア旅日記 8日目 3/4
マラムレシュを離れる朝。
夜に焚いてくれる暖炉の火が消えて少し肌寒いけれど、
朝日が差し込んできて気持ちが良い。
 
冷蔵庫の上にはいつでもツイカとジャムが置いてある。

朝食を運んできてくれたパパにクルージまでの帰り方を聞く。
すると、バスに数分乗りイザという駅まで行けるとの事でした。
マラムレシュの最寄り駅はこのイザ駅のようです。
ついでにバスの発車時刻も教えてもらう。
 泊めてもらった部屋。

昨夜の絶品シュニッツェルがメインの朝食をたいらげて
余裕をもって出発する。
パパは照れくさそうに一緒に写真に写ってくれました。
ママは出かけてしまっていたようで残念でした。

パパは一見仏頂面だけど、たまに見せる笑顔が素敵。

木造教会の前がバス停と言われたので、そこで待つ。
停留所名の書かれた標識や目印が何も無い。
ただの道に、人が少したむろしているだけ。
どうやらこの人たちもバスを待っている様子です。
聞くと「ここで待っていればいいのよ」
「そう、そう、そう、そう、、、」と皆が頷いてくれる。
誰か1人に聞くと、すぐに皆集まってくる。
子供からは「あげる!」とパンまでもらってしまった。
 洒落た帽子を被ったおじさん。最高の笑顔!

でも、パパに教えてもらった時間を過ぎてもバスは一向に来ない。
ここで待っていればいいと言ってくれた人たちは、
バスを待ちながらもヒッチハイクをしている。
それも、そこにいる人皆が一斉に手を挙げて車を止めると、
順番があるらしく、(先着順なのか、年齢順なのかは謎)
決まった人から順に乗り込んでいきました。
そうこうしているうちに40分遅れでバスがやってきました。
 村の中心の朝の風景。

バスは満席で、「イザ駅へ行きたい」と告げると
前に座っていた若いお兄さんが「着いたら知らせてあげる」と言ってくれた。
20分ほど乗っていたら、「ここ、ここ、降りて!」と突然促された。
また何の標識もない、ただの道の真ん中に降り立つ。

パパが描いてくれた、かなりラフな駅への行き方の地図を見ながら
急な坂を上り、急な階段を登ったら、、、、線路が見えた。
小さな駅舎も見えた。ここがイザ駅だ!
 
田舎らしいとても小さな駅。 手描きの車両案内図が可愛い。

切符を買って、列車を待つ。
ほんの数分で列車は到着。なんていいタイミングなんだろう。
これに乗れなかったら夜まで列車がない!なんて事も考えられる、、、。
駅員さんは列車の到着にあわせてホームへ出て、旗を挙げている。
そこへ、今から乗り込むという村人(おじさんたち)が
駅員さんに雪を投げつけて遊んでいます。すごく楽しそうでした。
仲の良い友達なのかな、微笑ましい光景でした。
  
山の斜面を通る線路。  雪合戦後に笑いを隠せない駅員さん。

車内では、突然コンパートメントのドアを開けて
りんごを差し入れしてくれるおじさんがいた。
2時間弱のんびり田舎町の景色を楽しんだ後、
サルバという駅で乗り換えて、クルージ行きの列車に再び乗車。
そこでは、イザ駅から一緒だったおじさん、イオアンさんが
隣の席に来てくれて、英語でおしゃべりをしました。
イオアンさんはイザ駅のあるサリステア・デ・スス村で
ペンシオーネを奥さんと営んでいるとの事。
そして、写真家でもあり、弁護士でもあり、エンジニアでもあるらしい。
今度はイザ駅で降りて、イオアンさんのペンシオーネに泊まろうと思う。
偶然に出会った人とのつながりが、次の旅の楽しみになるのが嬉しい。
 乗り換え駅にいた野犬。
以前飼っていた犬に顔つきや模様がそっくりで驚きました。

クルージに着いたのは15時。
たくさんの人で溢れかえる駅に、ちょっと面食らう。
イオアンさんと別れて、トランクを預かってもらっているホステルに帰る。
一睡もしないでマラムレシュに出発した数日前がすごく懐かしい。

夕方のクルージを散歩する。
クルージは博物館や美術館が多い。大学も多いのではないかと思う。
落ち着いた印象を受けますが、若者が多く、活気にも満ちています。
趣きも残しつつ綺麗に整った街で、お店もたくさんあり、何もかも程良い街。

散歩に最適な城塞に登ってみました。
街の中心から川を渡ると目の前に立ちはだかる丘の上にあります。
これは、オーストリア・ハンガリー帝国の時代に建てられたものだそう。
クルージは、ローマ帝国の植民地、ザクセン人の入植、ハンガリーの支配と
様々な国との関わりを経て、他民族の混在する今に至る。
民族問題は、きっと今でも解消できない軋轢があるとは思うけれど、
でも、そういう歴史があったからこそ、それぞれの民族の思いや切なさも含めて、
今の魅力的なクルージの街が成り立っているのではないか、、、と思います。
 人の顔みたいなトンネル。口が入り口。

そんな考えをつらつらと思い巡らせるのに最適なのが城塞のてっぺん。
たくさんのベンチが設けられた頂上からはクルージの街並みが見渡せます。
特に日没の時間はまどろむのにとてもいい場所です。
 
クルージの街全体が見渡せる。  真ん中にあるのは聖ミハイ教会。

城塞を降りて、ぶらぶらしながらレストランを探す。
前に来た時にも感じていたけれど、この街はなぜかピザ屋ばかり。
数歩歩けば「またピザ屋!」その繰り返しなのです。
そんな訳でピザを食べました。賑わっている店で、美味しかった。

食後はスーパーへ寄る。
どんな店よりもスーパーが一番楽しいとさえ感じるのはなぜだろう。
可愛いパッケージのお菓子や美味しそうなジャムが並んでいるのを
見ているだけでうきうきしてきます。
スーパーでは、派手な格好のロマの女の子がいたり、
ルーマニア語、ハンガリー語、英語などが聞こえてきて、
様々な人種の人々がこの街にはいるという事が一番感じられる所でした。
 夜の教会は幻想的で綺麗。

ホステルに戻り、早々とベッドに入る。
明日でルーマニアともさよならしなければならない。
ちょっと切ない夜。

text by : yuki
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